TRACE
写真集「TRACE」
岩谷と同大学の映像学科の先輩・澤平桂志の誘いを受け、卒業制作展で展示する写真集を制作することになった。スケジュール管理をし、数度に渡る打ち合わせを行い、使用する紙を決めるなどしているうちに年を越した。お互いの考えを擦り合わせ、時間ギリギリまで詰め、澤平桂志の初となる写真集「TRACE」が完成した。
写真集「TRACE」は、澤平桂志の祖母の故郷・三重県熊野市が舞台となる。そこでの人々の暮らしや何気ない風景が澤平桂志の中に祖母の故郷の話として朦朧と記憶され、いつしか懐かしさを感じさせるようになった。熊野市を訪れ朧げな祖母の話を辿る日々は、祖母を見つめ、自分を見つめるということでもあった。